近年、私たちの生活を取り巻く環境は大きく変化しています。
自然災害の激甚化、感染症の世界的流行、国際情勢の緊迫化、そして物価高騰の長期化など、不安要因は複雑に重なり合っています。
さらに、
孤立・孤独、貧困、虐待、ヤングケアラー、働き手不足など、社会の弱い部分に負担が集中しやすい課題も顕在化しています。
こうした時代に重要になるのが、「人間の安全保障」という考え方です。
これは国連開発計画(UNDP)が提唱した理念で、国家の安全だけでなく、一人ひとりの生命・生活・尊厳を守ることを安全保障の中心に据えるというものです。
「恐怖からの自由」「欠乏からの自由」
この二つを確保することが、人間の安全保障の柱とされています。

【千葉県における課題】
千葉県は首都圏の生活と物流を支える重要な地域である一方、海岸部、河川、臨海コンビナート、人口集積地域を抱えており、地震、風水害、火災、感染症など、複合災害のリスクが高い地域でもあります。
そのため、
⚫︎危機への備え⚫︎平時からの支え合い⚫︎社会的な弱さの軽減⚫︎迅速な復旧・復興
までを一体的に考えることが重要です。
【議会での質問】
私は県議会において次のように質問しました。
「住民の生命や生活、尊厳を守る『人間の安全保障』という考え方を、県政運営の中でどのように取り組んでいくのか」
防災、医療、福祉、教育、産業、地域交通など、県の施策は多岐にわたりますが、最終的には県民の安心につながらなければ意味がありません。
そのため、部局横断で課題を共有し、政策の優先順位や連携の在り方を見直すことの必要性を指摘しました。
【県の答弁】
これに対し県からは、自然災害の激甚化、人口減少・少子高齢化、社会経済のグローバル化などにより、県民が抱える課題が多様化・複雑化しているとの認識が示されました。その上で、県の総合計画の基本理念として「県民の命とくらしを守る」ことを掲げ、
⚫︎危機管理体制の構築⚫︎防災基盤の整備⚫︎医療提供体制の確保⚫︎伴走型福祉の充実⚫︎多様性を生かした社会づくり
などを進めていくとの答弁がありました。
【私の要望】
私は最後に、次の点を強く要望しました。
「人間の安全保障」という理念を、単なる言葉にとどめてはならないということです。
具体的には、⚫︎予算編成⚫︎事業評価⚫︎政策立案のすべての段階において、この視点を明確に位置付け、部局横断の政策軸として具体化することを求めました。
理念が政策を動かし、政策が県民の安心につながる。
その循環を確立していくことが、これからの県政に求められていると考えています。


